毛刈りの秋
最近EDEN さんの髪が伸びてモッコリとなってきました。
彼の毛刈りショーの担当は私azito の役目なのですが
なんだかんだと面倒くさがって避けていたら
知らないフリをするのも憚られるほどモッコリなってきました。
モッコリの限界に挑戦したい。
常に探究心を忘れない私azito のチャレンジスピリッツを
ここはグッと抑えてそろそろ毛刈りでもしようと思う雨の土曜日です。
そんなことを書いていたら、毛刈りで思い出しました。
あの日の散髪にまつわる甘酸っぱいメモリーを。
それは私azito が中国に住んで間もないある秋の日のことでした。
同級生の韓国人が髪を切りに行くというので話を聞いてみると
腕とセンスにかなりの不安がある中国の美容院とは違い
朝鮮族が経営しているセンスの良い美容院だというので
ちょうど髪も伸びてきたところだったので着いて行ってみたのです。
今はきっと変わっているとは思いますが、当時、かの地のセンスはかなりのもので
男性の場合は、注文如何に関わらず結果は何故か角刈りとなるのが当たり前でした。
繁華街を歩いていて、後頭部に「 HOT 」と刈り残した斬新ヘアー(上部は角刈り)
に出会い、目を奪われることもしばしばでありました。
ましてや、複雑なカット技術を必要とする女性であれば
そのレベルは推して知るべきでありましょう。
そんなドリーミンなチャイナで韓国人と共に美容院に向かい
とりあえずどんな髪型を希望するのか伝えてみました。
「 ゆるいパーマをお願いします 」と。
そして私は見ました。
向かいの鏡に映る非常におぼつかない手つきを。
パーマのロットを何度も何度も巻きなおすその姿を。
頭皮にダボダボと薬剤をかけまくる豪快さを。
2時間後。
私の目の前の鏡に映っていたのはミュージカルアニーでした。
ゆるいパーマ希望だったはずが、そこにはアニーがいました。
左に座る韓国人の友人を見てみると
そこにはミュージカルアニーがいました。
しかもそのアニーは、前髪が二束触覚のように飛び出し
その触覚が金髪に染められていました。
私たちはお互いに顔を見合わせ
なんのコメントもかけられないまま帰途につきました。
寮に帰ったときの、同級生達のまなざしを私は忘れないでしょう。
一息ついて入ったシャワー室で涙が流れそうになったのは
悲しみのせいだったのか、薬剤のせいで荒れた頭皮に激痛が走ったせいだったのか
それはもう定かではありません。
それからしばらく、私が通う教室では机に向かうアニーを2名見ることができました。
個人的には「 触覚アニーよりはマシか 」と思っていましたが
きっとそれはお互いにそう思っていたことでしょう。
アニーは歌いました。
トゥーモロー トゥモロー 明日はしあわせー
あしたは・・・しあわせ・・・
2度と中国では髪を切るまい。
そう心に決めた秋の日の出来事でした。
きっと皆様、今頃は涙で画面がにじんで見えなくなっていることでしょう。
あれは遠い想い出 やがて消える灯影も 窓辺赤く輝き 光満ちたあの頃
イブ=モンタンに乗せて
消えぬ想い出を語ってみた雨の夜でした。
CAFE´azito
参加してます。ポチるとワールド牧場でEDEN さん毛刈りショーが開催されます。